安全保障

中国の知的財産窃盗対策に遅れがあることを焦るアメリカ! もっとゆるい日本!(朝香 豊)

☆☆☆ 今回はメルマガですでに流していた記事を、ブログに再掲載いたします。メルマガは無料ですので、よろしければご登録ください。☆☆☆
https://maroon-ex.jp/fx146642/ILee4W


人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!

中国政府は、中国の国外で研究を行っている研究者を集める人材募集プログラムを様々に展開している。

そうしたプログラムはなんと200もある。

こうしたプログラムを通じて、アメリカ政府の研究資金と、アメリカの民間部門の技術が、中国の軍事力と経済力を強化するために使われていることに、アメリカ政府は危機感を抱いている。

まだまだ対策が甘いからだ。

米上院国土安全保障政府問題委員会調査小委員会は、8ヶ月にわたる調査を行い、この点を指摘した報告を超党派でまとめ、公表した。

中国は2050年までに科学技術における世界のリーダーになることを目指している。

そのために海外の研究者を募集して、国内の研究を促進している。

そのためのプログラムでもっとも有名なのは「千人計画」(海外高層次人才引進計画)だ。

「千人計画」と呼ばれているが、2017年までに7000人の研究者を集めたとされている。

潤沢な研究資金や報酬などを用意し、こういう研究者を集めているわけだ。

ハーバード大学のチャールズ・リーバー教授は、化学生物学部の学部長で、ナノテクノロジーの分野の世界的権威であり、ノーベル賞候補とも言われている。

このリーバー教授が、こうした中国の「千人計画」に参加していながら、このことをハーバード大学にもアメリカ政府にも秘匿し、米捜査当局に虚偽の説明を行った疑いがかけられている。

米司法省はリーバー教授を訴追した。

リーバー教授の研究には、米国防総省や国立衛生研究所から計1500万ドル(約16億4千万円)超の研究費が提供されていた。

リーバー教授は2011年に、ハーバード大学にもアメリカ政府にも知らせないまま、中国の武漢理工大学の科学者にもなった。

リーバー教授は武漢理工大学でも研究を行う対価として、月給5万ドル(約550万円)と、生活費として上限15万8000ドル(約1700万円)が与えられていたとされる。

武漢理工大学はさらに大学でのリーバー教授用の研究所の設立費用として150万ドル(約1億6500万円)を超える支援を受けていた。

「千人計画」では、科学者たちが自国で行っている研究を忠実に再現できる「影の研究室」を中国に設立することを奨励している。

これにより、中国は他国で行っている研究がどういうものなのかを、どこよりも早く知ることができるようになっているわけだ。

当然、アメリカの第一線の科学者がアメリカでどういう研究を進めているかも知ることができる。

リーバー教授用の研究所もそのようなものだったのだろうと推測されている。

「千人計画」で結ばれる契約書には、中国のために働くこと、契約を秘密にすること、中国人のポスドクを募集して一緒に研究をすること、スポンサーになる中国の研究機関に全ての知的財産権を譲り渡すことを求めている。

報告書は、米国立研究所に所属していたあるポスドク研究員が、千人計画に選ばれて中国で教授職を得た際の話について触れている。

この研究員は中国に対して、自分の研究分野は高度な防衛力を持つために重要なものだと話し、中国の防衛力の近代化を支援する研究を計画し、この研究所から3万件の電子ファイルを持ち去って中国に渡った。

こうした中国のあり方に対するFBIや米国の研究機関の対応は非常に遅いことを、報告書は問題視している。

中国に限らず、外国の人材募集プログラムに参加している研究者には、その契約条件などを完全に開示しないままでは、米国の研究資金を得られないようにすべきではないか、などと、報告書は提言している。

報告書をまとめた調査委員会のポートマン委員長は、アメリカ政府が1985年から採用してきた基本方針はまだ甘いところがあるとして、対策を立法化することも必要だとしている。

中国がアメリカなどの知的財産を盗用するやり方は様々ある。

その中にはハッキングを行うといったことも当然あるが、このように有能な科学者を直接買収するような真似も行っている。

このことにアメリカは危機意識を持ち、アメリカの知的財産、企業秘密を中国から守るために、真剣に対応しようとしているわけだ。

さて、日本ではこういう意識を持った対策は考えられているのか。

甚だこころもとない。

※ 日本再興のために、以下のバナーをポチッとしていただけると助かります。


人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!

ネタ元となるnatureの記事
https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v17/n2/「中国の千人計画は脅威」+米国議会の報告書が警告/101946
ネタ元となるBBCの記事
https://www.bbc.com/japanese/51291717

無料メルマガ

最新情報やプレゼント特典などをメール配信しています!メルマガでのみ公開しているネタあり!今すぐ無料登録しましょう!

ピックアップ記事

  1. 台湾で米台国交回復推進決議が全会一致で可決! なんと提案は国民党!(朝香 豊)
  2. 中国の国家発展改革委員会が不動産バブルの維持を断念か? 体制崩壊につながる可能性…
  3. 難民認定を甘くすることに反対!(朝香 豊)
  4. TSMCの日本投資は大きなチャンス! 反対論者は日台離反工作に乗せられていないか…
  5. 中国が武漢P4からフランスを排除していた! 騙されたフランス!(朝香 豊)

関連記事

  1. 人権・民主主義

    不良ワクチンで女児死亡! 家族も徹底弾圧! 中国!(朝香 豊)

    人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!中国…

  2. 安全保障

    無責任な脱原発の訴え! もはや老害でしかない元首相5人組!(朝香 豊)

    人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!東日…

  3. 安全保障

    北方領土交渉を認めない姿勢を明白に! ロシア!(朝香 豊)

    人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!…

  4. 安全保障

    シンガポールの感染者数が多い理由を知ろう!(朝香 豊)

    人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!シン…

  5. 経済

    中国の工場で「火事」が多発! 体制危機の象徴!(朝香 豊)

    人気ブログランキングへのご協力をよろしくお願いします!新型…

  6. 経済

    中国で「住宅価格値下げの禁止」が広がる! 誓約書を書かされた企業も出現!(朝香 豊)

    中国の地方政府の中には、住宅の販売価格を値下げしないように要求…

無料メルマガ

おすすめ記事

アーカイブ

  1. 人権・民主主義

    ジョージア州で発覚した異常開票状況! それでも主流派メディアは言い逃れに必死!(…
  2. 人権・民主主義

    香港の民主の女神の周庭さん、ミュージックビデオに出演!(朝香 豊)
  3. 安全保障

    世界知的所有権機関のトップに中国人が就きそう! 高まる危機感!(朝香 豊)
  4. 安全保障

    なぜ防衛省は北の「飛翔体」について独自情報に基づいた発表を行わないのか?
  5. Huawei のロゴ

    中国

    ファーウェイ、内部告発者への報復がバレて、中国国内でも不買運動発生!(朝香 豊)…
PAGE TOP