強硬派のボルトン大統領補佐官解任後に融和姿勢を見せていたトランプ大統領は、中国に対して、知的財産権保護などの構造改革を促す考えを強調。一部品目の関税率の引き下げだけの合意ではなく、中国でのビジネスのあり方全般の変更を求める方向に再び舵を切った。
10月15日に先送りした中国製品2500億ドル(約27兆円)分に対する制裁関税引き上げは予定通りに実施する考えも披露した。
来年11月の大統領選挙までに交渉が妥結する必要がないとも語った。
会談ムードを盛り上げるために、中国政府の代表団は米農家の視察を予定していたが、トランプ大統領の態度変更を受けてこれを中止した。
これは恐らくトランプ大統領のマッドマン戦略(気狂いのようなフリをして、交渉妥結のハードルを引き上げる戦略)で、中国側もこれまでの交渉でその点は理解していると思われる。
だが、今回はそれだけではなさそうだ。
米議会は「香港人権・民主主義法」(香港の自由と民主主義が崩れたら、香港に認めている特権的な地位を奪い取る法案)や「台北法」(台湾の国家承認や台湾との交流強化を外国にも働きかけ、逆行した国にはペナルティーを与える法案)の制定を求めるなど、トランプ政権以上に対中強硬姿勢を取っている。アメリカ国内の対中強硬ムードが高まっている中では、融和的な姿勢を見せることは却って支持を落とすことになる。そのために強い態度に出る必要があるということだ。
また、中国での経済状態が国内を動揺させるほどに悪いことがだんだんわかってきたこともあるだろう。この動揺を防ぐためには、中国は妥結を求めざるをえないところに追い込まれている。それゆえ、ハードルを引き上げてもそれに対処しようとしてくると読んだ可能性もある。
香港の民主化を求める動きも、「国歌」に相当するものが作られ、街の至るところで自然発生的に唱和されることが日常的に広がるなど、デモ禁止処置を乗り越えた新たな展開に入ってきて、中国の体制を動揺させるのに大きな働きを見せるようになった。
トランプ大統領の本音がどこにあるのかは窺いしれないところではあるが、融和姿勢を取りにくいところに動いているのは歓迎したい。
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