フジテレビ系列の「日曜報道」に出演した橋下徹氏が高市早苗氏の発言を大きく歪めるような発言を行ったことが物議を醸している。
経済安全保障の議論が展開される中で、橋下氏は「経済安全保障を強化していくというのはもちろん進めてもらいたいとは思うのですが、戦略物資については中国の依存度を下げる、人権侵害を行っている中国の地域・企業とは取引を停止するというのはその通りだと思うのですが、今日本の中国との取引は貿易額が第一位になっていますが、通常の中国市場も遮断していく話なんですか。靖国問題を議論した時に高市さんが中国にある日本企業はどんどん中国から移転していくから大丈夫なの、みたいな話をしていたんですが、通常の中国市場との関係はどう考えるんですか」「高市さんは中国との取引なんてなくなったって靖国参拝行くのよと言っていたので、そこで心配だったんですけどね」のように話していたのだ。
橋下氏は勝手に高市氏の発言を脳内変換してしまっただけで、悪意があったものではないだろうと信じたいが、それでもこれは明らかに事実に反する。
高市氏は、靖国に参拝することを許さないような「世界の風潮を変えたい」ということを述べていたに過ぎず、それ以上のことについては述べていない。
高市氏は、大阪の空襲があり、原爆の投下もあってアメリカに対して複雑な感情を持っているが、それでも訪米した時にはアーリントン墓地のお参りをしているという話を出した。そうした複雑な感情を持っていることを互いに脇に置いて、国家のために命を捧げた方への敬意を相互に示し合うのが健全なあり方ではないのかという当然の提起を行い、これを世界標準にしていこうということを述べたのだ。このレベルの話を外交問題であるかのように捉える従来のあり方が正しくないとの正論を主張したのであり、中国に進出している日本企業のことなど一言も触れてはいないのだ。
従来、靖国問題については、単純に行くべきか行かざるべきかのみが争われてきた。だが問われている問題はそこにあるのではなく、日本の戦没者を祀る靖国神社に参拝することだけが許されないとする歪んだ風潮が世界的に広がっていることにある。こうしたおかしな歪みがあることを世界に訴え、この風潮を変えるという最も大切なことから日本の政治家は常に逃げてきた。そして初めて、この歪みを正しく表現して世界に訴えることを正面切って口にしてくれる政治家が現れた。それが高市早苗氏である。
政治に求められるのは、国民に対しても世界に対しても必要な説明を理解されるまで徹底的に行うことである。「誤解されるからやめておこう」は正しいあり方ではない。このことを正面切って提起してくれた高市氏を、私は今後も応援したいと思う。
仮に意図せざる脳内変換であったにせよ、橋下氏は高市氏への謝罪を行うべきではないか。そしてこの発言を問題視することは、維新の議員にこそ積極的にやってもらいたい。橋下氏の発言は維新の考えであると世間は考えるところがあるわけだから、人の発言をねじ曲げて批判をするようなことは断じて許さないとの立場に維新が立つのであれば、この問題をスルーするのはあってはならないことだろう。
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橋下徹氏と甘利明氏の画像
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