新型コロナウイルス関連のデータを集める上でいつも困っていたのは、どこに正確な情報があるのかわからないということだった。
例えば、東京都の発表では、新型コロナウイルスの陽性者が最も多く出たのは4月17日の206人ということになっている。
だが、専門家会議の資料では、4月9日の250人弱(棒グラフでしか示されていないので、正確な数値はわからない)が最も多いということになる。
「感染者」として報告される人たちの中に「国籍不明者」が多かったことから、日本人は意外に少なく、外国人ばかりではないかとの疑いを持たれたりもした。
国籍を確認する作業をもともと入れていなかったために、国籍を確認していない人については全員「国籍不明者」扱いになっていたからにすぎなかった。
マイナンバーカードが普及していればカードを読み取れば自動的に集計できることが、普及していなかったためにできなかったということもある。
ファックスを使って集計していたので、集計漏れが出たなんて話もあった。
このネットの時代に何をやっているんだというアナログぶりに驚いたのは、私だけではあるまい。
「現場の人達は一生懸命やっていたんだから」という意見もわからないではないが、日本よりはるかに被害の大きい諸外国で普通にできていたことが日本ではできていなかったことについては、振り返りは必要なことだと思う。
厚生労働省クラスター対策班の北大の西浦教授は、厚生労働省から必要なデータを集めることができず、自身で各自治体に問い合わせたりしてデータを集めていたことを吐露した。
新規感染者がいつ、どこで、何人発生したかを正確に掴まないと、実行再生産数を計算することができない。
欧米諸国においては、この実行再生産数を出せるだけのデータがインターネットからダウンロードできるようになっているが、日本においては厚生労働省自身がそれだけのデータを整理・収集できていなかったわけだ。
これは海外の研究者が日本のデータにアクセスしようとしても、十分なデータが揃っていないということを意味する。
データをわかりやすく公表するには、どういう情報をどのように整理した形で集めればいいか、それをどう表現すればわかりやすくなるかということを、日本は全くと言っていいほど意識していないということだろう。
「PR」というと日本では「宣伝」だが、英語では”public relations”(人々との関係性の構築)だ。
人々にわかってもらうためには、どう情報を集めて整理するのが適切なのかと考えるのが、前提となっている。
こうした情報の捉え方を、日本の役所が考えているとは全く思えない。
今回の新型コロナウイルスに関しても、厚労省のデータはあまりに見づらいため、東洋経済が整理してくれている集計グラフを、私は代わりによく使っていた。
厚労省には”public relations”という意識がまったくなかったと言わざるをえない。
しかも厚労省は「実際の集計値と差が出てきた」ことを理由に、集計データの掲載を途中から取り下げるという、すさまじいことまで行った。
こういうわけのわからない話は、それこそ山のようにある。
“public relations”を念頭に、必要とされる情報を不足なくわかりやすく整理して提示するようにすることは、ぜひとも官邸主導で実現してもらいたい話だ。
役人の意識が常にそこに置かれていれば、今回のような失態はなくすことができるだろう。
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ネタ元の日経新聞の記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60026400V00C20A6EA4000/
画像は厚労省のページから
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11734.html
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