日本、インド、オーストラリアが「サプライチェーン強化構想」(SCRI : Supply Chain Resilience Initiative)の立ち上げに向けた交渉を進めていることがわかった。(但し、日本語名は私の仮訳)
将来いつまた新型コロナウイルスの感染拡大のような事態が発生するかもしれないわけだが、こうした場合に中国依存が高いと今回同様に大きなリスクが生じることから、この3カ国で協力関係を強めてサプライチェーンを作っていこうとする計画だ。
この流れに沿えば、中国への投資が激減し、その分の投資がこれら3カ国に向かうということになる。
3カ国の国内経済を引き上げるのに、大きな効果が期待できる。
当初はこの3カ国で話を進め、やがてASEAN諸国10国を巻き込んで拡大していくことを目指している。
つまり、地域の大国である3カ国がまずは協力関係を確立し、これに東南アジア諸国を巻き込んで、中国抜きの大きな経済圏を構築していくという構想だということになる。
このSCRIを主導しているのは日本政府だ。
日本の経産省がこの絵を描き、1ヶ月ほど前からインド政府と交渉を開始したと報じられている。
日本政府が描いてきた「セキュリティ・ダイアモンド構想」は、日本・インド・オーストラリア・アメリカの4カ国が軸となった経済と安全保障の連携だったわけだが、このうちの3カ国で地域の安定したサプライチェーンを構築していこうというものだと理解すればよいかと思う。
インドは国境紛争で中国との緊張が高まり、国内で反中感情が急激に盛り上がっている。
従来は対中関係を考えて慎重な姿勢を保ってきたインドの方向性が大きく変わってきたことにより、話が進みやすくなったという環境変化が後押ししている。
インドはRCEP(東アジア地域包括的経済連携)から最終的には離脱する意向を示していたが、RCEPに代わる枠組みがこのSCRIによって生まれたとも言える。
また、SCRIはアメリカのトランプ政権が構想している「経済繁栄ネットワーク」(EPN)構想の一部として理解することもできる。
EPNは脱中国連合で経済繁栄できる枠組みを作ろうとするもので、やはり脱中国のサプライチェーン構想だ。
RCEPがスクラップ化されて、SCRIやEPNがこれに取って代わる流れまで構想されていることを期待したい。
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ネタ元のサウス・チャイナ・モーニング・ポストの記事
https://www.scmp.com/economy/global-economy/article/3098310/india-japan-australia-keen-boost-supply-chain-security
YouTubeのサムネイルからの引用画像(SCRI)
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Twitterからの引用画像(セキュリティダイアモンド構想)
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リベラルアーツガイドからの引用画像(RCEP)
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Asia Power Watchからの引用画像(India-China-relations)
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