2019年10月にFBIは「中国:アカデミアへのリスク」という報告書を発表した。この報告書は大学などの研究機関を通じて知的財産が中国に流れていることを指摘するものだ。
盗み出す技術情報の標的は、主としてScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)であることから、これらの分野を「STEM」と呼んでいる。中国からやってきた留学生、研究員のみならず、中国側に協力する大学教授らの働きによっても、知的財産がどんどん中国のものになっている。FBIはこうした知財侵害の損害額が「年間2250億~6000億ドル」(25兆円~66兆円)にのぼると推計している。
中国には「国防七子」と呼ばれる、軍事技術の研究を行っている7つの大学(北京航空航天大学、北京理工大学、ハルビン工業大学、ハルビン工程大学、南京航空航天大学、南京理工大学、西北工業大学)がある。こうした大学と大学間交流協定を結んでいる日本の大学は45校もあり、交流協定に従う形でこれらの大学からの留学生を直接受け入れることまで日本は行っているのだ。
しかも中国で軍事研究を行っている大学は、こうした7大学に限らない。FBIは少なくとも60の大学が軍事と密接なつながりがあると指摘している。大学には人民解放軍に所属する研究者が送り込まれ、こうした研究者が西側に留学するケースも稀ではない。
さて、中国といえば、在留カードなど1000枚以上を偽造した中国人の男が逮捕されたことがニュースになっていたが、これは決して特殊なケースではない。中国ではパスポートすら「偽造」されていて、以前に犯罪を犯して国外退去処分になった中国人が別の名前のパスポートで入国し、新たな犯罪を犯すことすら普通にある。こうしたパスポートは中国政府によって正式に発行されているものだから、もはや「偽造」と呼んでいいのかすらわからない。中国共産党や人民解放軍との関係を隠した「証明書」を用意するのは、彼らにはどうということもない。
さらに言えば、中国共産党や人民解放軍との関係を持たない中国人であっても、留学生として受け入れる場合には、軍事転用可能な高度技術(機微技術)にはアクセスできないようにしないといけない。中国には「国家情報法」があり、中国国民には国の情報活動への協力が義務づけられていて、中国当局に要請されれば拒否できないからだ。中国政府によってスパイ行為を命じられれば、行わなければならない立場にある。
日本の大学では、留学生を受け入れる担当教授が留学生を擁護し、結果として学生を受け入れてしまうということが普通に起こっている。中には日本の大学に留学している時に科研費が支払われている研究に関与し、その成果を指導教授と連名で論文を発表していた中国人留学生もいる。この留学生は中国に帰国後、国防技術の発展に寄与した研究者に授与される「国防科技工業科学技術進歩一等賞」を受賞している。科研費を使った最先端研究が中国側に完全に漏れているということを、このことは如実に示している。
もうすでに手遅れとの話もあるが、今からでも中国が日本の持つ機微技術に触れられないようにすることは、日本にとって、西側にとって必要なことではないのか。中国からの留学生の受け入れには厳しい制限を行うべきだ。西側はこの点で共同歩調を取る必要がある。
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中国の軍備の画像
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