9月3日のお昼前に菅総理が総裁選挙に出馬しないことを表明したことが流れた。
このことに私が気づいたのは12時半過ぎであったが、まずは速報をFacebook上で上げた。この速報にはいろんな書き込みがあったが、情報に関していろんな混乱があるように感じた。その点を今回は自分なりにまとめてみたい。
菅総理は総選挙について、任期満了で行うのか、9月中に解散に打って出るのかについて曖昧な姿勢を続けてきた。実際、どちらの情報もたびたび報道されてきた。だが政局的には自民党の総裁選挙で盛り上げてからでないと、もはや総選挙で自民党が勝つ目はないという状態に追い込まれていたということは確認しておきたい。
8月31日に立憲民主党の枝野幸男代表は、『町の空気が全然違う』『こんなもの10年以上ぶりに感じている」との声を紹介し、9月1日には「衆議院では単独過半数を目指す」とまで述べた。ブラフの要素も大きいだろうが、このまま解散・総選挙になれば議席を大幅に伸ばせるとの自信をつけているのは間違いなかった。
そのことは総選挙の前哨戦として位置づけられた横浜市長選挙の結果にも如実に表れた。横浜市は菅総理の地元であるが、菅総理が全面的に支援した小此木氏は圧倒的な大差で敗北した。しかも菅総理が支援すればするほどに小此木氏は支持が下がっていったと言われている。
こうした事態を受けて選挙プランナーの松田馨氏は、次期総選挙で自民党は70議席程度減らし、自民党と公明党を合わせても過半数割れになることもありうるという予測を立てた。
この政界の空気は自民党議員は特に強い危機感として感じていただろう。この風を変えないままでの総選挙はありえないというのが、ほぼ一致した見方になっていたといえる。そのことはすなわち、総選挙は総裁選挙で自民党ムーブメントを盛り上げてからにしなければならないということである。
ところが菅総理は8月31日に二階幹事長と密かに会った際に菅体制のまま9月に解散・総選挙に打って出ることを提案し、二階幹事長の了解を取り付けた。
だがこの計画が漏れると、自民党議員が求めていることとあまりにかけ離れているために、党内から激しい反発が生じた。例えば、麻生派の重鎮である甘利明・党税調会長は「選挙で選ばれた新総裁が党人事や組閣をするのが常道ですが、総裁選の前に人事を行うという前例のない事態には皆理解に苦しんでいます」と、自身のWebページに記した。
9月に党役員人事を一新して解散・総選挙を行なっても、10月には総裁選挙をやることになる。そこで新しい総裁が選ばれれば、新総裁が改めて党役員人事を作り直すことになる。菅総理としては自身が総理・総裁として退任しない道を探った上での策なのだろうが、その結果として選挙で大負けする道を選ばれては議員たちにしてみればかなわない。
麻生副総理が閣内にいて菅総理の批判ができない中で、麻生派の重鎮の甘利氏がこのような発信を行なっているのは、そんな菅総理を麻生派としては支援できないというサインだったとも言えるだろう。
甘利氏はさらに9月3日のニッポン放送の番組で「(党内は)風通しが良くないといけない。誰も物を言えないというのは自民党の良さじゃない」と語った。再び菅総理と二階幹事長が秘密裏に解散・総選挙の方向に動いていることへの不快感を示したものだ。
甘利氏はさらに「若手でもうすぐ首相ができるんじゃないかと思うのはいっぱいいる」とも述べ、世代交代してもいいのではないかとの姿勢まで示した。
安倍前総理も菅総理に総裁選挙前に役員人事をいじっただけで解散することへの反対を伝えたと報じられている。
そもそも総裁選挙を今やって確実に勝てる自信が菅総理にはないから、先に解散・総選挙をやってしまえばいいという発想は、自民党議員からすれば当然受け入れられないだろう。
こうした党内の猛反発を受けて、菅総理は先に解散・総選挙をやるという目をなくしただけでなく、総裁選挙で勝てる可能性をも完全に潰してしまった。こうなると菅総理は総裁選挙に出馬することがもはやできなくなる。こうして総裁選挙への出馬を断念せざるをえないところに追い込まれたのである。
菅総理が出馬しないことになって、現閣僚や現党役員であっても総裁選挙に出馬することはできるようになる。すでに出馬表明している岸田文雄前政調会長、高市早苗元総務相に加えて、下村博文政調会長、石破茂元幹事長、河野太郎行政改革相らも出馬する可能性も出てきた。だが事実上は岸田文雄前政調会長と高市早苗元総務相の二人に絞られているのではないかと思う。
党内の派閥力学が強く機能するのであれば岸田氏になるだろう。一方、派閥の拘束が緩やかになれば、選挙に勝てる顔として高市氏が有利になるだろう。高市氏は自民党支持者の中でもっとも精力的に動いてくれるコアな保守層の求めている見解を代弁している。また女性初の総理・総裁の誕生となれば、その清新なイメージも非常に強く働く。選挙で勝つという視点に立つならば、高市氏の方が有利だ。
高市氏は文藝春秋、月間HANADA、正論などに相次いで自らの考えを発信し、ワックからも「美しく、強く、成長する国へ。ー私の「日本経済強靱化計画」」が近々発売される。保守系のインターネット放送でも、虎ノ門ニュース、文化人放送局、三橋TV、上島嘉郎チャンネルなどに精力的に出演している。高市氏がこうした活動を通じて党員・党友票をごっそり集める事態になれば、面白い戦いになるのではないだろうか。自分の言葉で政策を明瞭に話すことができる高市氏は、官僚的な曖昧さを好む岸田氏と比べた場合に、発信力が大きく違うところに注目しておきたい。
以上を前提に考えると、第一回目の投票の国会議員票では派閥力学で岸田氏が強いということになるが、党員・党友票で高市氏がムーブメントを作り上げて大健闘することはありうる。そうなると、こうしたムーブメントに乗った方が選挙は有利になるとの動きが国会議員の中で進むことで、決選投票となる第二回投票では高市氏に大きく票が流れることもありうる。
そして実際にその劇的な流れが生まれたとすれば、小泉旋風に勝るような高市旋風が発生して、自民党が地滑り的勝利を収めることも起こりうる。
あくまでも可能性の話でしかないが、私は高市氏が総裁選挙に勝利し、その余波で総選挙でも勝利することも十分にありうると考えている。派閥の壁が大きいことは十分に理解しているつもりだが、期待も込めて高市勝利に賭けてみたいと思っている。
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高市早苗氏の画像
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岸田文雄氏の画像
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