人権・民主主義

BBCの受信料廃止への動き! NHKにも影響するか?(朝香 豊)


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イギリスのBBCが受信料制度の廃止に向けていよいよ動き出したようだ。

イギリス・ジョンソン政権のドリス文化相は「今や素晴らしいイギリスのコンテンツに資金を与えて支援し、販売するための、新しい方法を議論すべき時だ」とするツイートを上げた。ドリス文化相は、BBCは存続すべきだが、ネットフリックスやアマゾン・プライムなどの動画配信大手と競合できるようになる必要があるとの立場である。

この考えはまさにその通りだろう。日本のNHKも需要のないところから無理やり受信料を徴収するのではなく、ネットフリックスやアマゾンプライムなどの有料動画配信サービスと競合して戦っていけるコンテンツを作成して勝負すべきではないのか。

ドリス文化相はまた、BBCで長年働き幹部職に上り詰める人のほとんどは同じような生まれ育ちで、特定の政治的偏向をもち、似たような話し方や考え方をする「集団思考」に陥っており、イギリス全体を代表するからには「本格的な変化」が必要だと述べていた。要するに放送内容が「リベラル派」に偏向していることを問題にしているわけだ。これまたNHKの話を聞いているような感じがする。

これに対して最大野党・労働党のルーシー・パウエル「影の文化相」は、ジョンソン政権が「(BBCの)報道内容が気に食わないからと、イギリスを代表するこの偉大な組織を、何が何でも攻撃しようとしている」と非難した。自由民主党の文化担当スポークスマン、ジェイミー・ストーン氏も「政府はイデオロギーにもとづくこの無謀な戦いをやめて、私たちのBBCに手出しするのをやめる必要がある」と述べた。「リベラル派」が大きな抵抗を示していることがわかる。

なお十分な確認は取れていないものの、ジョンソン政権は受信料を今後2年間凍結する方針との話も出ている。これが事実だとすれば、ジョンソン首相は2年前の選挙の時にはBBCの受信料撤廃を公約として掲げていたから、そのための第一ステップということだろう。

BBCは今年で創立100周年を迎えるとのことだが、100年を迎えて大きな転機も迎えることになった。NHKの受信料制度にも大きな影響を与えることになるがゆえに、この動きは注目しておきたい。

 
 
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