韓国の大統領府(青瓦台)には、国民の意見を聞くための掲示板が用意されている。
この掲示板に、文在寅大統領の弾劾を求める国民請願が掲げられた。
この掲示板には、中国の顔色をうかがって中国全域からの入国を全面禁止にしなかったことが、新型コロナウイルスの感染拡大を招いたとし、文在寅大統領は韓国の大統領ではなく、中国の大統領のようだと揶揄されている。
賛同する署名が20万人を超えると、大統領府は回答する義務が生じるが、署名者はすでに140万人を超えている。
文在寅大統領は、すでに追い詰められているわけだ。
ただ、大統領を連続して弾劾するということには、韓国民の中にも躊躇がある。
中国からの入国の対応を間違えたと国民に対してきちんと謝罪してくれればいいという考え方も強いらしい。
だが、与党の「共に民主党」の動きが、何とか謝罪だけで許してもいいのではという韓国民の気分を、かなりぶち壊しているようだ。
この話には、昨年行われた選挙法の改正が大きく関係する。
韓国の選挙は小選挙区と比例代表の組み合わせだが、小選挙区は大政党に有利であることから、比例代表の方は小政党に有利になるようにした。
小選挙区で議席をたくさん獲得すると、比例代表の方ではなかなか当選しないという仕組みになっているのだ。
これは与党の「共に民主党」にとっても不利だが、「共に民主党」のとっての最大の敵である保守系の「未来統合党」(以前の「自由韓国党」)にとっても不利だ。
「共に民主党」側は、「未来統合党」が多数派にならないようにしさえすれば、「共に民主党」だけで単独過半数にならなくても、政権は安泰だと考えたわけだ。
ところが今回の新型コロナウイルスの蔓延で、「共に民主党」の打撃は極めて大きくなり、最初の計算が狂ってきた。
そこで、「共に民主党」の実力者5人が集まり、比例専門のダミー政党を作る構想を進めることにしたわけだ。
このダミー政党は「共に民主党」本体から分離する少数政党で、比例で座席を獲得することだけを目的とするものだ。
ダミー政党は小選挙区では議席を取らないように気をつければ、比例区では得票率をかなり上回る議席が獲得できることになる。
実は「共に民主党」側は、このようなダミー政党を「未来統合党」の側が作ってくるのではないかと警戒し、以前は盛んに牽制していた。
こういう卑劣な真似は許されない、「共に民主党」はこうした汚いやり方はせず、あくまでも正攻法で選挙に臨むと言っていたのだ。
ところが状況が変わると突然このような謀議を始め、これが表沙汰になると、大統領の弾劾を阻止するためには、こうした相談を行うのは仕方がないんだと、開き直った。
ここまで露骨な動きを見せられると、謝罪だけしてくれれば文在寅大統領を許してもいいとは、なかなか思えなくなろうだろう。
なお、韓国の国会議員の選挙は4月15日に行われることになっている。
こんな「共に民主党」を、韓国民はどう判断するのだろうか。
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ネタ元の中央日報の記事
https://japanese.joins.com/JArticle/263167
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