人権・民主主義

香港立法会の悲しい選挙! 日本はこれまでの対中宥和がピエロだったことを認めるべき!(朝香 豊)


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香港の立法会(議会)選挙が行われたが、一般の有権者が投票できる直接投票枠(定数20)の投票率は過去最低の30・2%に留まった。2年前に実施され、民主派が圧勝した区議会議員選挙での投票率が71.2%であったから、半分以下に落ち込んだことになる。また直接選挙枠は従来の35議席から20議席に縮小された。

立候補に当たっては親中派で構成される選挙委員会のメンバー10人以上の推薦を得た上で、「資格審査委員会」で中国や香港への「忠誠心」を基準とした審査に通過しなければならないとの厳しい条件が課された。この結果、立法会選に立候補が認められたのは親中派約140人と親中派が推薦した中間派の十数人のみであり、民主派は認められなかった。これでは投票の意味がないと考えた民主派支持層の多くが棄権に回ったことで、記録的な低投票率になったわけである。

香港政府はテレビやバスなどに大規模な広告を出し、当日の公共交通機関を無料にして投票を呼びかけてきた。白票や棄権をネット上で呼びかけたなどの容疑で、大学生ら10人以上を逮捕したが、効果はほとんどなかったということになる。

直接選挙枠だけでなく、親中派の多い職能枠(定数30)の投票率も前回の74・33%から大きく落ち込み、30・92%と低迷した。

一方親中派が99・9%を占める選挙委員(定数1500人)だけが投票できる残りの40議席の枠については、投票率は98・14%に達した。こちらは投票しないと中国共産党から睨まれることになるから、ほとんどが投票したということなのだろう。なおこの枠は親中派を強化するために新たに設けられたものだ。

香港での自由と民主を求める声は、西側の裏切りによって潰されてしまった。特に地理的に中国に対峙する日本の果たした役割は大きいことを我々は自覚していなければならない。ここに至っても対中非難決議を上げられず、北京オリンピックの外交的ボイコットの声も上げられない我が日本については忸怩たる思いだ。

日本は中国にとって実に使い勝手のいい「駒」になっている。

1989年6月4日に起きた天安門事件の際には、なんと事件が起こった6月4日の段階で日本は中国に対して宥和的姿勢を取ることを決めていたことがわかっている。「西側諸国が一致して中国を弾劾するような印象を与えることは、中国を孤立化へ追いやり、長期的、大局的観点から得策ではない」との判断に基づいたものだった。対中支援に疑問を呈するアメリカのロバート・フォーバー国務次官補代理に対して外務省アジア局の鈴木勝也審議官は「西側の価値観や体制とは、ともに異なる中国に同様の物差しをあてはめるのは無理がある」と反論した。

天安門事件の翌月に開かれたG7首脳会談(アルシュ・サミット)では、中国の孤立化を防ごうとする日本と残りの6カ国で激しい対立があり、要人接触の停止や世界銀行の対中新規融資の延期などの制裁項目が列挙されていたフランス案に対して日本は激しく抵抗した。

そしてその2ヶ月後の9月には伊東正義日中友好議員連盟会長(元外相)らからなる大型訪中団が西側としては事件後初めて中国に向かった。そしてその後の1992年10月には天皇陛下の訪中が実現し、西側各国が科した中国指導者との交流禁止を打破する力になった。

こうした経緯について中国の銭其琛元副首相は回顧録で「日本は西側の対中制裁の連合戦線で最も弱い輪だ。おのずと良い突破口となった」と評している。

2008年3月に「チベット動乱」が発生した際にも、中国当局は激しい鎮圧を行い、国際社会は北京五輪ボイコットを叫んで騒然としたことがあった。この時にも翌4月に当時の福田康夫首相は「中国が努力している最中に参加するとかしないとか言うべきではない」と発言し、早くも5月には胡錦涛を国賓として日本に招き、天皇陛下に謁見させることまでやっている。

日本がここまでのことをやっても、中国は東シナ海でのガス田の開発を一方的に推し進め、反日教育をどんどん強化し、尖閣諸島沖への中国公船による侵食を加速させた。中国は完全に日本を舐めており、どこまで敵対的な行動を行っても日本は中国に宥和的な姿勢を示すと考えている。

そして現在も北京冬季五輪に対する外交的ボイコットも表明できず、国会での対中非難決議も上げられないような情けない状況を相変わらず日本は示している。

中国にとって使い勝手のいい「駒」であり続けた結果として日本は中国をモンスターに育て上げ、このモンスターに怯える存在に成り下がった。ここまで来るとピエロではないか。

これ以上中国を増長させないために何をするべきかという視点で考えた場合には、我々が進むべき方向は決まっているのではないか。そこを忘れて「現実的」で「大人な」対応を考えるということに意味があるのか。そのような姿勢はさらなるピエロにしかならないと私は考える。

 
 
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https://www.bbc.com/japanese/59723016
NHKの記事
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/lastweek/50685.html
日経新聞の記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE228WT0S0A221C2000000/
日経新聞の記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE228XP0S0A221C2000000/
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