カナダのトロント大学にあるネット検閲の監視機関「シチズン・ラボ」は、すでに昨年12月31日の段階で、新型コロナウイルスに関する情報を中国が検閲していたと発表した。
中国当局が新型コロナウイルス流行の深刻性を公に認めたのは、1月20日になってようやくであったが、それよりも遥かに前に検閲が行われていたことがわかる。
「未知の武漢肺炎」「武漢市衛生健康委員会」「人から人への感染」といった言葉も検閲対象となっていた。
ということは、「人から人への感染」が普通にあることも、中国当局がこの時には既にわかっていた疑いが強まった。
このウイルスに関して最初に警鐘を鳴らした李文亮医師が亡くなった直後は、一時的にネット検索は緩くなったが、その後は検閲は以前よりも強化された。
習近平国家主席が、「前向きの力」と社会の安定を確保するためだとして、規制強化を求めたようだ。
それはともあれ、なぜ12月の段階で、中国当局は新型コロナウイルスに関する情報の検閲を早々と始めたのか。
李文亮医師が医師仲間のグループチャットにこの情報を上げたのは12月30日のことだ。
その1日後には、当局はこの情報に関する検閲を始め、1月1日には李文亮氏など8名の医師が警察に拘束されている。
どうしてここまでこのウイルスに関して敏感な反応を中国共産党が示していたのだろうか。
このウイルスに関する秘密を表に出したくないという思惑があったのではと、改めて感じざるをえない。
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