LINEはシステム開発を委託している中国の関連会社の従業員4人が、21年2月まで日本のサーバーにある個人情報にアクセスできる状態になっていたことを公表した。アクセスできたのは、氏名・電話番号のほか、利用者から「不適切だ」と通報があったメッセージも含まれるとされる。
LINEは写真や動画、LINE Payの取引情報を韓国のデータセンターに保管していることも、併せて公表した。
LINE側の説明としては、情報が悪用されたという報告はないとのことだが、彼らが情報を抜き取っていたとしても、正直に報告することなどありえないだろう。最悪の状態を想定するという見地に立てば、LINEのこのあり方は杜撰であったと言わざるをえない。
そもそもLINEは行政との関わりを強めている。例えば渋谷区や市川市などは、LINEによる住民票の写しの申請受け付けを行っていた。この申請を行う際には、顔写真付きの身分証明書を送る必要があったわけだが、こうしたデータが中国や韓国で漏洩した可能性も考えておかなくてはならない。
尼崎市ではAIチャットボットにより、住民からの問い合わせについてAIが自動的に回答する仕組みを構築していた。中国の関連企業はAI開発も担当していたとされ、こうした問い合わせについての個人情報にもアクセスできた疑いは濃厚だ。ちなみに厚生労働省もコロナ関連の情報提供に関して、LINEのAIチャットボットを利用している。
東京都、大阪府、神奈川県などは、電気・ガス・水道の公共料金すべてで「LINE Pay 請求書支払い」での支払いが可能となっている。
LINEが日本の公共サービスを事業として引き受けるつもりがあるなら、国外にデータが漏洩しかねない事態は絶対に避けるべきであっただろう。企業倫理の観点から見て、LINEの対応は不適切であったと言われても仕方がない。
ただもう一方で、LINEの情報漏えいについては、創業段階から様々に指摘されてきたことでもあり、こうした問題がありうることを可能性として理解しながら、これを問題にすることなく放置してきた日本政府のあり方にも大いに問題がある。
今回の事態を受けても、個人情報保護委員会の福浦事務局長は「事実関係をさらに確認し適切に対応したい」との曖昧な発言しか行わず、加藤官房長官も「今後、個人情報保護委員会をはじめ、関係政府機関において事実関係を確認のうえ適切に対応していくことになる」との、やはり曖昧な発言しか行わなかった。なぜにこれほど及び腰なのであろうか。
これを機に、LINEへの対応を厳格化することを日本政府に望みたい。すなわち、日本の事業については日本国内で完結し、情報の国外流出が全くないように制度設計を行えと、菅政権はLINEに対して申し入れをすべきである。そしてそれがコストなどの観点からできないとLINEがいうのであれば、日本国内の事業について日本企業に売却することを要求すべきである。
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LINEの個人情報漏洩疑惑の画像
https://i.ytimg.com/vi/An1t9RBAIio/maxresdefault.jpg
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