アフリカ諸国の政府高官たちは、政府庁舎内部で中国のスパイ活動に遭っているのではないかと、ヘリテージ財団のレポートが警告している。
アフリカ諸国の政府庁舎は中国企業が建設していることが多い。
少なくとも186の政府庁舎が中国企業によって建設され、高い機密性が求められる政府内通信網もすくなくとも14は中国企業が整備した。
なお、実数はこれをかなり上回ると考えられている。
アフリカ諸国の連合体である「アフリカ連合」の本部はエチオピアにあるが、この本部ビルに中国が盗聴器を仕掛け、アフリカ連合に設置してあるサーバーから毎晩上海にデータを密かに送っていたことを、フランス紙のル・モンドが、すでに2018年1月に報じていた。
アフリカ連合内のサーバはファーウェイが設置したもので、アフリカ連合の建物は中国国営の「中国建築」(China State Construction Engineering Corporation)が行った。
ル・モンドが報道した3日後に、イギリス紙のフィナンシャル・タイムズがル・モンド報道を確認した。
ここまでバレながらも、中国政府はこの件を馬鹿げた陰謀話で、中国とアフリカとの友好関係を傷つけようと狙ったものだと一蹴した。
だが、ヘリテージ財団の上級政策アナリストのメサーベイ氏は、逆にこのアフリカ連合の話は氷山の一角ではないかと見ている。
というのは、中国が請け負っている政府庁舎建設事業が採算割れを起こすような価格でなされてきたからだ。
これは深刻な問題だ。
アフリカ政府が立てる戦略が中国に筒抜けになるとか、アフリカの要人が中国に弱みを握られるという話だけではない。
たとえば日本政府の関係者がアフリカ諸国を訪問して様々な提案を行ったとしても、それすら中国に筒抜けになるわけだ。
そして、そうした話の中には、日米がどう連携しようとしているのかといった話も、時には含まれてくるだろう。
これは看過できない。
日本政府は、アフリカの政府庁舎に盗聴器が仕掛けられているかかどうかの点検を、無償援助で行うことはできないだろうか。
そして、アフリカにこうしたチームを派遣する前に、まずは日本の政府庁舎で事前演習を行うことも併せて提案したい。
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ネタ元のVOAの記事
https://www.voanews.com/east-asia-pacific/voa-news-china/report-chinese-construction-projects-create-opportunity-spy
ネタ元のヘリテージ財団のレポート
https://www.heritage.org/sites/default/files/2020-05/BG3476.pdf
画像はウィキメディアから
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/thumb/8/84/African_Union_Conference_Centre_building.jpg/715px-African_Union_Conference_Centre_building.jpg
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