日本政府は、2020年10~12月期の国内総生産(GDP)が前期比3%増加したと発表した。但し通年ではGDP成長率はマイナス4.8%となり、2009年以来11年ぶりにマイナスに転じた。
この状況を招いた要因として大きいのは、もちろん新型コロナの流行によるものだ。コロナ対策での財政出動では世界的にみても悪くない水準を出したと言えるが、コロナを過大視したことによる経済へのブレーキが大きかったことも、反省材料とすべきだと考えている。
また、この状況を招いた要因はコロナだけであったわけではない。一昨年の10月に引き上げた消費税増税により、消費を大きく抑制させた効果が如実に表れた側面も強いことを忘れてはならないだろう。
ところで菅総理は、1月18日の施政方針演説で「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という構造を見直し、未来を担う子どもからお年寄りまで全ての人が安心できる社会保障への改革を進めていきます」と述べている。現役世代中心の負担とは所得税のことを意味し、これを全世代型に転換していくということは消費税への依存を増やしていくということを意味する。単純に所得税減税を行いながら消費税増税に走るとしたら、その負担は低所得層に大きくしわ寄せされることになり、国民の消費能力を奪うことになる。GDPがマイナス成長している中でこうした政策を実行するとすれば、それは自殺行為だ。
こうした馬鹿げた政策が実行されないように、財政の方向性を完全に変えてみることを提案したい。
1つ目は、従来の国債が償還期限を迎えた場合に、政府は借換債を発行して日銀が引き受けることになるが、この借換債を永久劣後債にするというものだ。永久債というのは償還期限がなく、元本返済の義務がないものである。劣後債というのは、仮に支払い困難な事態になっても、返済の優先度が低いという扱いにするものだ。返済義務はないに等しいので、永久劣後債は会計基準では「負債」扱いではなく「資本」扱いにされる。
こうなると、償還期限が来て借換債を発行するたびに、「国の借金」はどんどん小さくなっていく。「借金」(負債)が「資本」に変わるからだ。この仕組みを作るだけで日本政府の債務の問題は事実上解決することになる。これまでの「累積債務」は負債ではなく「資本」となるわけだから、日本政府が「累積債務」に頭を悩ませる必要性は全くなくなることになる。
劣後債は買い手に不利であるので、その分金利は高くつくことになるというのが、経済原理というものだ。だが、それは全然心配するに値しない。この劣後債は全額日銀が保有するからだ。日銀が保有する劣後債の金利は確かに日本政府から日銀側に支払われることになるが、日銀は日本政府の子会社なのである。仮に日銀が日本政府から10兆円の金利を受け取ったとしても、その10兆円の利益は日本政府に上納されることになる。日銀は稼いだ利益については国庫に上納することが義務付けられているのである。永久劣後債の金利が高かったとしても、政府財政は全く痛まないことになる。
その上で財務省に対する評価を、失業率、インフレ率、GDP成長率の3つで判断する方向に切り替えさせる。例えば、完全失業率2.3%以下、インフレ率1.5%から2.3%、GDPの実質成長率3.0%以上といった枠を決め、これを実現できる財政政策を作らせることを財務省の目標とさせるのである。政策目標を完全に満たす数字を達成できたら、財務省の職員の給与を1年間1割増やすでもよいではないか。逆に全然できなければ、1割減らしてしまえばよい。
国債の扱いを変えるだけで、これまで20年以上にわたって続けられてきた馬鹿げた緊縮財政からおさらばできる。「プライマリー・バランス」などという全く意味のない制約から解放されることで、日本は本来持っている潜在力を発揮できることになる。こういう政策を提言したい。
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