中国の国務院(内閣)は「手頃な賃貸住宅に関する意見」を発表し、農民工(出稼ぎ労働者)や若者などに安価な賃貸住宅を政府主導で供給していく方針を打ち出した。主として面積70平米以下の、投機用ではなく居住用の住宅を供給し、近隣の賃貸住宅よりも賃料を抑えるとしている。
この住宅政策がどこまでうまくいくのかは、今のところはわからない。というのは、この住宅は公営住宅として提供されるものではなく、融資等の条件を優遇して提供するとされているからだ。利回りが確保できない住宅をわざわざ建てようとすることは、普通ではなかなか考えられない。ただそこは強権的な中国政府ゆえに、「お前、建てろ!」みたいな強引なことがどんどん行われていくのかもしれない。
それでもこういう住宅政策が打ち出されたことで、現在の賃貸住宅の賃料水準がさらに引き下がる可能性はある。住宅の供給量にもよるが、今や2%程度と言われている大都市圏の賃貸住宅の利回りが、さらに崩れる可能性が出てきた。かなりの物価上昇が見られる中国ではあるが、少なくとも賃料の引き上げに動くのはかなり難しくなったということになるだろう。
中国政府がこのような政策を展開しているのは、不動産バブルを潰す方向性を志向しているからだ。中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)主席で、中国人民銀行(中国の中央銀行)の党委員会書記(トップ)の郭樹清氏は、不動産投機で金儲けをしようとしていると、これから巨大な損失に直面することになると警告した。
郭樹清氏は3年前に高金利のP2P金融に対する警告を行い、その後5000社あったと言われるP2P金融業者は事実上消滅させられた実績がある。彼が習近平の意を汲んでバブル潰しに動き始めているのはほぼ間違いないところであり、そのための新たな一歩を踏み出したと見るべきである。
「それでも習近平が中国経済を崩壊させる」で示した方向性が、徐々に現実化してきていると言えるだろう。
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中国国務院の発表(中国語)
http://www.gov.cn/zhengce/content/2021-07/02/content_5622027.htm
web-willmagazine.comの記事
https://web-willmagazine.com/international/p6hWK
中国の住宅の画像
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