テレビ朝日のスポーツ局の社員らが渋谷のカラオケ店で五輪報道の「打ち上げ」で宴会を行い、20代の女性社員が2階の窓から「落ちて」きて左足を骨折して重傷を負った事件は、もはや知らない人はいないと思う。
この件については報道ステーションのレギュラーコメンテーターで共同通信の編集委員である太田昌克氏が同番組で厳しく批判を行い、同社社員の富川悠太キャスターが「不要不急の外出自粛を呼びかける立場にありながら、著しく自覚を欠く行動があったことは大変遺憾で、深く反省しています」と、テレビ朝日側のコメントを読み上げた。
フリーアナウンサーで同社のモーニングショーに出ている羽鳥慎一氏が同番組内で「自覚がないレベルをゆうに超越している」と批判し、同番組のレギュラーコメンテーターで同社社員の玉川徹氏が謝罪した。
私は文化人放送局の番組「The Q and A」において、玉川氏の謝罪について前向きの評価をした。もっと上のレベルの人間が事件の経緯をしっかり説明し、謝罪すべきだという意見は全くもっともな話だが、だからといって玉川氏個人がこの段階で黙っていたとしたら、玉川氏個人が袋叩きにあったのも間違いない。玉川氏が調査委員会を立ち上げて、これが個人の資質の問題か、指導が足りなかったのか、テレビ朝日の構造的な問題なのかをはっきりさせる必要があると述べたのは、次に繋がる行動として認めてもいいのではないかと考えた。
もちろん、この話が個人の資質の問題などではなく、テレビ朝日の構造的な問題だというのは今さら考えるようなことではない。番組の中でも話したことだが、3月28日に「サンデーLIVE!!」のスタッフ9人で送別会を行い、そのうち4人の感染が4月になって発覚した事件がテレビ朝日では起こっている。この時に社として猛省をしていて、二度と繰り返さないという意識になっていれば、今回の事件は起きてはいないのは明らかである。
確率的に考えて、テレビ朝日で違反事例があったのが「サンデーLIVE!!」の送別会と今回の事件の2つだけの話であるわけもない。恒常的に違反事例があった中で、たまたまこの2つの事件だけが発覚したと考えざるをえない。
また、テレビ朝日の当初の報道では「女性社員が転落して怪我を負った」というレベルの報道で、「2階の窓から落ちてきた」とか「骨折して重傷」といった事実について隠蔽しようとする意図があったのも間違いない。ここにもテレビ朝日の構造的な問題が隠れているのは明らかである。
私としてはここまでの大問題になった以上、テレビ朝日の社長が自らの口で事件の経緯を説明し、謝罪も行うべきであるのは揺るがないと思っている。ここにはぜひつなげていただきたいし、玉川氏には自らの言葉の責任からこれを実現するように動いていただけるものだと信じている。
とはいうものの、これまでのテレビ朝日側の報道でさえ、どうやら重大な事実がいろいろと隠蔽されている疑惑が持ち上がってきた。つまり、玉川氏らが知っていながら隠蔽している話がいろいろとあることがわかってきたのだ。
まずスポニチの報道を見ると、「港区の飲食店で打ち上げを行った後、午後11時半ごろにカラオケ店で2次会を開催」となっている。カラオケ店は二次会だったのである。とすると、一次会で帰った社員・関係者もいたのかもしれない。一次会で帰ったとしても、午後8時以降での飲酒があったのは明らかだ。二次会のカラオケ店だけでなく、一次会の飲食店も名前を公表し、社会的責任を負うべきではないだろうか。さらに、一次会に何人参加していたのかも、テレビ朝日は明らかにすべきである。
使われていたカラオケ店は「パセラ渋谷店」であることについては、「パセラ」が公式HPでも認めた。だが同社のウェブページにおいては緊急事態宣言の自粛要請に従い、現在の営業時間は午後8時までだと謳っている。つまり、一般客については入れない対応をしていたのに、特別なコネでテレビ朝日の社員には特例を認めていたことになる。
この特例扱いが現場のアルバイトスタッフのレベルで行われたことは考えられない。パセラの経営レベルの判断が関与していたのはほぼ間違いないであろう。とすれば、テレビ朝日側もスポーツ局の一般社員の思いつきレベルで動いたことは考えにくいだろう。
ところで、テレビ朝日のスポーツ局を担当する役員は誰かを探していくと、同社社長の亀山慶二氏と常務取締役の浜島聡氏の2名の名前が確認できた。スポーツ局長はどうやら三雲薫氏で、彼も役員待遇になっていることがわかった。(但し、三雲氏は人事異動でスポーツ局長から異動している可能性もある。)彼らが今回の不祥事に直接関与していたかどうかはわからないが、関与していた可能性については当然疑うべきものだ。
なお、テレビ朝日の社員数は1269名(2020年3月時点)となっている。全体として60を超える部に分かれていることからすると、各部は平均して20名程度からなることになる。スポーツ局には2つの部が存在することからすると、40名程度が在籍しているのではないかと、一応は推測できる。この推計はかなり荒いものであるのは認めるが、少なくとも100名を超えるような部署ではないのは間違いないだろう。その規模感からして、少なくともスポーツ局長以上の人間が今回の事件に全く関与していなかったということは、極めて考えにくい。それはパセラとの関係からも伺える。
そして社長の亀山慶二氏が「スポーツ局統括」を担当する責任者であることの重みも消せない。
テレビ朝日がこれからどういう調査を行い、どういう報告を行うのかはわからないが、以上の点について曖昧にすることなく回答するのは最低限の義務であると考える。
そしてそもそも国民が怒りを覚えているのは、個別の不祥事にとどまらず、同社の報道姿勢そのものである。この点に切り込みを入れないようであれば、今回の事件の総括を行ったということにはらないであろう。
なおテレビ朝日が独立調査委員会を立ち上げるというのであれば、その人選は非常に重要である。テレビ朝日に批判的な人物の参加をテレビ朝日が求め、私に声をかけてくださるのであれば、私は喜んで調査に協力したいと思っている。テレビ朝日さん、いかがでしょうか(笑)
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