ガソリン価格の高騰を受けてJAF(日本自動車連盟)がガソリン税に関する声明を発表した。
本来のガソリン税は本来であればリッターあたり28.7円であるべきところが「特例税率」として53.8円となっていて、25円ほど上乗せされている。軽油引取税についてもリッターあたり15.0円であるべきところが「特例税率」として32.1円となっていて、17円ほど上乗せされている。
こうした「特例税率」はガソリン価格が3ヶ月連続で1L当たり160円を超えた場合には引き下げられることになっているが、東日本大震災の復興財源にするとの名目で、震災後はこの引き下げ条件(トリガー条項)が凍結されている。つまり、ガソリン価格の高騰が続いても税率の引き下げを行わないことになっている。
JAFはこの「特例税率」をまず廃止することを求めている。
またJAFはこうしたガソリン税に加えて消費税まで課税されていることも問題視し、「Tax on Tax」という不可解な仕組みを解消すべきだと主張している。
例えばガソリン自体の価格が101.6円だとすると、本来の道路整備財源としてのガソリン税は28.7円であるから、消費税もない状態であるとすれば、130.3円ということになる。現実には「特例税率」が適用されることでこれより25.1円高い155.4円とされた上で、この155.4円に税率10%の消費税(15.5円)が加わることで170.9円にまで引き上げられている。
この計算でわかると思うが、本体のガソリン価格だけでなく、ガソリン税を課したガソリン価格に対してまで消費税を課すというとんでもないことを政府は行っているのである。JAFが問題にしている「Tax on Tax」(税金に税金を掛ける)というのは、単にガソリン税に消費税がプラスされているということを言っているのではなく、ガソリン税によって上乗せされた価格分にも消費税がかけられていることを問題視しているわけだ。
JAFはこれ以上詳しい説明をしていないが、実はJAFが掲げたガソリン自体の価格101.6円の中には、別途「石油石炭税」2.8円や「石油製品関税」(約14円)も含まれている。この「石油石炭税」分や「石油製品関税」分も消費税の課税対象となっているのは言わずもがなである。仮にこうした諸税がなければ、実はガソリン価格は半値程度なのである。
税金というのは国民の需要力を引き下げるものである。需要力が旺盛すぎてその抑制が必要な時には税率が高いのはやむをえないが、国民の需要力が乏しい時には減税によって需要力を引き出す方が正しい選択肢になる。
また現在懸念されている今後のインフレの亢進を抑制するという観点からもガソリン価格の引き下げは望ましい。ガソリン価格の上昇は輸送コストの上昇を意味し、最終的には商品価格に転嫁されやすい。こうしたコスト上昇によるインフレを「コストプッシュインフレ」と呼ぶが、これはインフレの中でも特に悪性である。弱い需要を価格上昇でさらに抑え込んでしまうことになるからだ。
財務省としては、コストプッシュインフレでも「物価上昇率2%」を達成して緊縮財政の理由にしたいのだろうが、それは国民経済を不当に押さえつけることになる。
このように歪んだ経済政策が行われていて、これが修正されないようになっているのが日本の姿なのである。
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JAFの訴え
https://jaf.or.jp/common/news/2022/20220207-002
ガソリン税の仕組みの画像
https://jaf.or.jp/-/media/1/2590/2662/4000/1NnlpxVSAwJj.png?la=ja-JP
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