検察庁法改正を含む、国家公務員の定年延長を決める一連の法案が見送られた。
マスコミが意図的に歪んだ情報を流し、芸能界などを巻き込んだ激しい工作が行われた結果、とんでもない「世論」が作り出され、これに政権が完全に屈服した形だ。
こんな前例を作ってしまって、本当によかったのか。
内閣は説明責任をしっかり果たすべきではなかったのか。
こういう肝心なところから逃げるのは内閣の常だが、そのことに逆に不信感を持つのが国民なのだということを、いい加減に理解してもらいたい。
この検察庁法の改正案については、すでに一度内容をまとめてあるが、評論家の須田慎一郎氏の情報を踏まえて、補足しておきたい。
そもそも今回の公務員の定年延長は、非常にゆっくりと時間をかけて検討を積み上げてきたものであり、安倍内閣が突然に持ち出したものではない。
今から約2年前の平成30年8月に、「定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出のポイント」という資料が、人事院から出されている。
ちょっとわかりにくい名前だが、(内閣に対する人事院の側からの)「意見の申出」の要点と考えれば、よいだろう。
俗に言う「人事院勧告」だと思ってもいい。
ネット上でも見ることができる資料であるから、よかったら見てもらいたい。
https://www.jinji.go.jp/iken/30mousidepoint.pdf
この資料を読むと、すでに平成20年に「国家公務員制度改革基本法」が制定され、国家公務員の定年を段階的に65歳に引き上げることについて、政府において検討することが法律に盛り込まれたことがわかる。
そして様々な経緯を経て、政府は平成30年2月に人事院に対し、政府側がまとめた論点整理を踏まえて、定年の引上げについて検討するように要請している。
これを受けて、人事院が半年間の検討を行った上でまとめたのが、この「申出」だ。
この「申出」が広くネット上に公開されていることから、人事院は内閣に「こうしてもらいたい」という申出を行っただけでなく、各省庁に属している公務員(特に人事を担当する公務員)にも、政府の方針に関心の高い国民にも、「どうぞ見てください」と伝えていたわけだ。
ここで問題になるのは、国家公務員法を改正して定年延長を行えば、検察官の定年延長もそのまま認められるということにはなっていなかったところだ。
検察官は特殊な公務員であるがために、その身分のあり方については別途「検察庁法」によって規定されている。
それで、この人事院の「申出」を受けて、政府は検察庁を所管する法務省に対して、検察官の定年延長について省内の意見をまとめるように要請した。
法務省は検察庁の独立性を尊重して、検察庁としての方針を検察庁内でまとめてもらい、これを法務省の見解とした。
この省内の最終決定は令和2年1月16日で、これを受けて内閣法制局とすり合わせが行われた。
そして5日後の1月21日には、内閣法制局はこの法務省内の決定について了承している。
これを受けて1月22日から1月24日にかけて、法務省と人事院との間で協議が行われ、人事院も検察官の定年延長に関して了承した。
上記過程は常に透明性を確保した中で展開され、一連の流れと関わる文書は今回の法改正に合わせる形で国会にも提出されている。
さて、この一連の過程を踏まえて、安倍政権が恣意的に検察官人事に介入しようとしたといえるだろうか。
そもそも検察庁法の改正案は、検察庁の意向を反映する形で法務省がまとめ、内閣法制局や人事院とすり合わせてできあがったものだ。
安倍内閣が、ああしろ、こうしろと指示したものではない。
「検察の独立性・中立性を奪う」「火事場泥棒」で、「日本が法治国家でなくなる」と考える根拠は、いったいどこにあるのだろうか。
法治国家で、検察の意向まで十分尊重しているから、こういう流れになっているのだろう。
分量が増えすぎるので、さらに詳しい話はメルマガに書くことにするが、理解しておくべきことは、検察庁法改正案に組み込まれた定年延長の細かい仕組みも、実は検察庁の要望を踏まえたものだったという点だ。
さて、ここまで透明性を確保し、省庁や人事院の意向を優先して進めてきたものであることを、野党議員は全く理解しないで大騒ぎをしているのか。
マスコミも全く理解していないのか。
そんなことはありえないだろう。
彼らはこうしたしっかりとした民主的手続きを踏んで進んできたことを、完全に捻じ曲げるプロパガンダを意図的に行っている確信犯なのだ。
ついでに、1月に行われた黒川東京高検検事長の定年延長問題についても簡単に触れておく。
これはもともと、1月29日に検察庁の事務方から森法務大臣に対して、黒川東京高検検事長の定年延長を求める提案があったことから始まっている。
安倍政権の方から延長させたいと圧力をかけたものではないのだ。
そして、検察庁の独立性を尊重する立場から、森法務大臣がこれを了解したのが実際の流れだ。
稲田検事総長が次期検事総長に、林名古屋高検検事長を推していて、官邸側が黒川東京高検検事長を推していて、両者の間で対立が生じているというのは、朝日新聞を始めとしたマスコミが作り上げたストーリーにすぎない。
この架空のストーリーに国民も芸能人も完全に踊らされたにすぎないのだ。
マスコミも野党もいかに有害無益であるかに、多くの国民に気づいてもらいたい。
法治国家でここまで丁寧なプロセスを経たものを、真逆のものだと言いくるめる謀略を許してはならない。
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画像は朝日学情ナビから
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