管政権は、科学研究費補助金(科研費)を受ける大学などの研究室に対して、外国からの資金協力があるか開示を義務付ける方針を打ち出した。
当初は科学技術振興機構(JST)など政府系4機関のみに関して開示を義務付ける方針だったが、対象範囲を広げた。
虚偽申告が判明した場合は資金配分の決定を取り消すとし、早ければ2022年度にも導入するとの方針だ。
経済安全保障を重視するアメリカ政府に歩調を合わせる方針だと言えるだろう。
この方針転換は大賛成である。
ただし、それでも課題は大きい。
第一に、日本の場合には外国からの資金提供が発覚した場合に資金配分の決定を取り消すだけとなっているが、アメリカの場合には研究者が起訴・逮捕されることもありうる。
制度の実効性を上げるためにも、日本も違反が発覚した場合の比較的重い刑事罰を導入すべきではないだろうか。
第二に、「早ければ2022年度」というのは実は遅くないだろうか。
2021年度まで前倒しすることも検討すべきである。
第三に、研究室内の留学生についての扱いが決められていないのは、抜け穴があるということにならないだろうか。
大学の実情からすると、第三のルールは実現不可能だという意見もあるだろうが、その場合に日本の先端技術が外国に漏れ出てしまうことはやむをえないのだろうか。
それは明らかにおかしい。
少なくとも自由・民主主義・基本的人権の尊重・法の支配という基本的価値観を共有していない国の留学生は、科研費対象の研究室には参加できないようにすべきである。
日本政府には以上の三点について、再検討をしていただきたいものだ。
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ネタ元の日経新聞の記事
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日経新聞からの引用画像(研究資金の中で科研費が占める割合)
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