安全保障

朝日・毎日でも憲法改正賛成派が反対派を上回る! 今こそ憲法改正を思い切って打ち出す時だ!(朝香 豊)


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憲法記念日を迎えるにあたって、マスコミ各社が憲法改正の是非について尋ねる世論調査を行った。その結果はなかなか興味深い。

まずは、どの世論調査においても憲法改正を必要だとする世論が不要だとする世論を上回ったことだ。朝日新聞が行った調査でさえ、憲法改正を必要だとする見解は45%で、不要だとする44%を上回った。驚くのはあの毎日新聞の調査である。なんと憲法改正について賛成が48%、反対が31%で、賛成は反対の1.5倍を超えているのである。毎日新聞で一体何があったのかと、却って心配になるような結果だ。読売新聞の調査では賛成56%、反対40%だが、読売については世論調査の他の項目の結果にも注目したい。

中国公船が沖縄県の尖閣諸島沖で領海侵入を繰り返していることを、日本の安全保障上の脅威だと感じるかについては、「大いに感じる」が66%、「多少は感じる」が29%で、合わせて95%に達した。中国の膨張が日本の安全保障を大きく脅かしていることに、ほとんどすべての日本人が警戒心を抱いていることがわかる。

緊急事態における政府の役割についても、憲法改正して条文に明記することに賛成する意見が59%に達した。他の普通の国と比べた場合に、日本がいかに思い切った対応が取れないかについて、さすがに多くの国民は疑問に感じたということだろう。

憲法改正の機運が国民の中で大きく高まってきたこのタイミングを逃さないで、憲法改正に向けての具体的な動きを、菅政権にはぜひとも進めてもらいたい。

この動きの中で菅総理にぜひお願いしたいのは、日本を取り巻く環境がどれほど大きく変わっているかということを、総理自らの口でしっかりと説明することだ。

日本の防衛予算と中国の防衛予算の推移を一枚のグラフの中に示すだけで、日本の安全がいかにまずい状況に置かれているかを明瞭に示すことができる。その中で、中国の防衛予算には外国からの武器の購入代金や国内での武器開発経費が含まれておらず、実際の予算規模はこれよりもずっと大きいことも伝えていく。できれば、台湾国防部の見立てでは実際の防衛予算はこの2〜3倍に達しているのではないかということまできちんと述べていくと、より効果的である。

この中国の膨張を抑止するためには、日本単独の力ではどうにもならないことも率直に語ってしまってよいと思う。したがって、この問題に対処するためには、アメリカ・台湾・東南アジア諸国・オーストラリア・インド・イギリス・EU諸国とも力を合わせなければならないし、そして現実もその方向でどんどん動いていることを、しっかりと伝えるべきだ。そしてその中で地理的に日本の果たす役割が極めて大きいことを国民に説明するのである。この上で、こうした諸国との連携を取って国際的に求められる役割を日本が果たそうとするためには、現行憲法では十分な役割が果たせないことを、率直に語るのである。

憲法改正がどうしても必要なのは、日本がどこかの国を侵略するためなどではなく、目の前の安全保障上の大問題に対処するためである。そのことを総理自らの口から語れば、多くの国民は間違いなく理解するであろう。世論調査の結果から見れば、今なら本音の議論を日本国民にぶつけてみても、それに対するアレルギー反応を恐れる必要はほとんどなくなっているのは明らかだ。

さらに言えば、こういうことを率直に語ってくれる菅総理に対する国民の信任は、むしろ急上昇するのではないだろうか。これまでタブーとされてきた国家の安全保障に関して、総理がリーダーシップを取って率直に語る勇気を見れば、国民の心は必ず揺さぶられるはずだ。

首相のその勇気が中国政府による日本企業へのいじめにつながるとしたら、むしろそれを歓迎すべきかもしれない。もしそうなったとすれば、中国ビジネスの安全保障上のリスクを露呈させることになり、それは中国に進出している西側企業に対する大きな警告になるからだ。西側企業が潜在的な中国リスクの想像以上の大きさに気が付けば、静かに中国から離れる道をまじめに考えるだろう。それは中国経済への最大の打撃になる。

確かな戦略思考を持って、総理が勇気を出すことを願わずにいられない。
  
 
 
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