昨年の10−12月期のGDPの速報値が発表され、前期と比べてマイナス1.6%、年率換算でマイナス6.3%の大幅な落ち込みとなった。
この数字は衝撃かもしれないが、実質はこの数字よりもはるかに悪いと考えるべきだ。
報道では、個人消費がマイナス2.9%(年率換算ではマイナス11.0%)とされているが、これはあまり正確ではない。
このマイナス2.9%というのは、民間の非営利団体の消費額も含んだものとなっていて、個人だけの話ではないからだ。
細かい説明は省くが、実質的な個人消費は「家計最終消費支出(除く持ち家の帰属家賃)」で見たほうが現実的で、こちらだとマイナス3.7%(年率換算でマイナス13.9%)にもなる。
非常に大きな落ち込みになっていることがわかる。
この大きな落ち込みは、消費税増税による駆け込み需要の反動だと解説されているが、今回の消費税増税前には駆け込み需要はほとんど発生していなかったことを忘れるべきではない。(これはGDP統計からも明らかなのだが、この説明も面倒くさいことになるので、省略する。)
民間企業の設備投資もマイナス3.7%(年率換算でマイナス14.1%)と大きく落ち込んでいる。
年率換算で見た場合に、実質の個人消費がマイナス13.9%、民間企業の設備投資がマイナス14.1%となっているのが、いかに経済的に見てまずい状態であるかがわかるだろう。
これでどうして全体で見た場合に年率マイナス6.3%の落ち込みにとどまっているのか、不思議だろうが、実は輸入が年率換算で10.1%も減少していることが大きく関係している。
外国から輸入するものが減ると、それは外国への支払いも減ることになるので、それは我が国にとってはプラスということになる。
それで、輸入額の減少はGDPの計算上はプラスに貢献する要素として扱われる。
もちろん、輸入に頼っていたものが日本国内で作られるようになった結果として、輸入が減っているのであれば、それは喜ばしいことだろう。
これであれば輸入額の減少がGDPに貢献しているというイメージは持ちやすい。
だが、景気が悪化した結果として、国内で消費するものが減り、その結果として輸入が大きく減ったというのは、決して手放しで喜べる話ではない。
そして今回の輸入の大幅減少というのは、日本の景気の大きなブレーキと関わっているものなのだ。
こうして見た場合に、日本の経済が消費税増税を契機としていかに大きな落ち込みをしているのかがわかるだろう。
表面的にはマイナス6.3%ということになっているが、民間経済を見ると、実質的にはマイナス10%を超える大きな落ち込みを見せたということを、見落とさないようにしたい。
なお、政府支出などの公的支出が年率換算で1.7%程度伸びていて、これも景気を下支えする効果を示していることも、付け加えておく。
大型予算を組んで、民間需要が大きく減退しているのを強く下支えしないと、中国経済の落ち込みなどと相まって、日本経済に壊滅的な打撃があることを見失うべきではないだろう。
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ネタ元の日経新聞の記事
https://www.epochtimes.jp/p/2020/02/51769.html
画像も同記事
https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXMZO5570720017022020I00001-PN1-5.jpg?auto=format%2Ccompress&ch=Width%2CDPR&fit=max&ixlib=java-1.2.0&s=d8ad390fc9bce4eb9e3255c6e02713e7
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