ゴールドマン・サックスのパンドル氏は、円の長期的な適正価値の推計は1ドル=95円だと述べた。
円は「比較的過小評価されていると言える数少ない典型的な逃避先資産の1つ」であり、円には「相当の上昇余地がある」とした。
ゴールドマン・サックスは、自社の利益のために、本音とは逆のことを言うことも多いので、注意が必要だが、このパンドル氏の見方は、私は妥当だと思う。
2月20日頃に1ドル=112円あたりまで弱含んだ円は、その後FRBの利下げ観測が出ると急激に円高方向に動き始め、その後に予想通りに利下げが行われると、あっという間に1ドル=105円台まで値上がりした。
金利が下がったといっても、現在FRBの政策金利(FF金利)は年1.00%-1.25%であり、日本の金利よりはまだまだ高い。
トランプ大統領はさらなる金利の引き下げを求めている。
そもそも新型コロナウイルスの感染拡大がアメリカでも広がってきた中で、アメリカの消費が大きく落ち込むことが、FRBに見えていないわけがない。
実際FRBは、今月(3月)中にさらに大幅な追加の利下げをする可能性についてでさえ、否定はしていない。
金利を下げても、新たに投資を増加させる効果は薄いが、すでに多くの借り入れを行なっている企業の金利負担を軽減させる役割は大きい。
感染の拡大によって経済的にダメージを受ける企業を救済するために、アメリカがさらなる金融緩和を行い、場合によってはゼロ金利に近い水準まで引き下げる可能性も、決して小さくはないのだ。
アメリカが利下げをしても、日本はすでにゼロ金利どころかマイナス金利にまで進んでおり、対抗処置が取れる余地はほとんどない。
日米の金利差が縮まれば、必然的に日本円は上昇せざるをえないだろう。
今まで不当に円安にすることで対外競争力を確保してきた日本だが、円高になっても十分に戦っていけるように、体質を変えていくことは必須の課題である。
ただ、そのように企業だけに責任を押し付けるのは、正しくない。
円高が急激に襲ってきたときに、企業がすぐさま対応ができるわけではない。
企業が新たな環境に適応するためには、相当の時間がかかるものでもある。
だから同時に、日本政府が思い切った財政出動を行わないと、日本経済を救うことができなくなるのだ。
日本経済は文字通り肺炎にかかりつつあり、やさしく介護しないといけない局面だと理解すべきだろう。
それどころか、日本政府が思い切った財政出動を行うことで、縮み上がりつつある世界経済の流れを緩和させる役割をも果たすべきなのである。
こうした財政出動は、決して日本だけに求められるわけではなく、アメリカもヨーロッパも同様ではあるが、そうした方向に速やかに動かないと世界経済はまずい展開へと向かう流れに、すでに入ってきていることを自覚しておきたい。
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これのネタ元のブルームバーグの記事
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-06/Q6R5W4T1UM0W01
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