中国人民銀行(中国の中央銀行)は人民元のデジタル通貨化を急ピッチで進めている。
人民元は外貨との交換が自由にはできないなど、非常に使い勝手の悪い通貨だ。人民元を自由化すると中国経済の統制が取れなくなり、破綻してしまうのが目に見えているので、自由化するということは絶対にできない。
この制約がある中でも人民元の国際化の切り札として考えられているのが、このデジタル人民元構想なのではないかと、推測している。
中国が海外のインフラ整備事業を展開する際に、中国人労働者を現地に大量に送り込むということをよくやる。この中国人労働者に給料をデジタル人民元で支払い、彼らが受け取ったデジタル人民元で中国のものを買ったり送金できたりするという仕組みにした場合に、海外においても人民元が順調に流通することになる。
派遣先の国の経済には何の貢献もしないで、人民元だけで全てを完結させる仕組みを作り上げるつもりなのだろう。
こうした仕組みをベースにしながら、その接続を中国人の外にも認めていくことによって、人民元の経済圏を広げていく構想ではないかと思う。
このデジタル通貨は2段階のシステムを採用するとしているが、この2段階システムにするとブロックチェーン技術を貫徹するのは極めて難しくなる。この中で安全性をどう担保するのかは大きな課題になる。
また、中国政府が管理する点から考えて、プライバシーが守られると考えるべきではないだろう。
以上、人民元のデジタル通貨化について否定的な見地から扱ってきたが、自らの影響力をどうすれば拡大でき、どうすれば世界覇権に近づけるかを真剣に検討している中国の強い野心には、むしろ日本は大いに見習うべきだとも思う。
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