韓国外交の股裂きぶりが尋常ではない。
アメリカ政府は安全保障上の最重要物資として半導体を位置づけ、この技術が中国に流れないようにすることに力を入れている。4月12日には韓国のサムスンを含む、西側の半導体生産企業のトップを集め、世界的な半導体不足問題について議論する会議を開催する。この件についてアメリカ政府は韓国大統領府の政策室長や安保室長と電話協議を行ってきた。つまり、サムスンなどの韓国企業が持つ半導体に関する懸念を韓国側は前々からよく理解しているはずなのである。
これと連動する形で、日本からは北村滋国家安全保障局長、アメリカからはサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)、韓国からは徐薫国家安保室長が出席した日米韓の安全保障担当の高官協議が開かれた。この中で中国を念頭に「インド太平洋地域の安全保障を含む共通の懸念」について意見交換されたわけだが、アメリカのサリバン補佐官は半導体について「国の安全保障に直結する問題」だと特に強調している。そして「共通の安全保障上の目標を守り、前進させるために努力する」との共同声明を発表した。韓国はアメリカや日本との間で中国の安全保障上の脅威を共有することを公式に認め、特に半導体についてのアメリカ側の持つ強い懸念を理解しているのは間違いない。
ところが翌4月3日に韓国の鄭義溶外交部長官(外務大臣)が中国の王毅外相と会談した際には、半導体などのハイテク分野で韓国が中国と協力することについて話し合われた。中国側は「韓中両国の経済は高度に融合しており、利益共同体になっている」とした上で、「5Gやビッグデータ、グリーン経済、人工知能(AI)、(半導体)集積回路、新エネルギー、ヘルスケアなどの分野で協力関係を強化し、高付加価値分野で協力するためのパートナーになる」ことを求めたと、堂々と公表している。これに対して韓国側は詳細は発表していないが、「韓中経済協力共同計画をできる限り早期に採択する」ことを決めたことを明らかにした。
韓国の文在寅政権はサムスンなどの進んだ半導体技術が中国に渡ることをアメリカが懸念していることを十分に承知し、さらにそのことを自国の安全保障上の問題としても認識し、アメリカと共通の立場に立っていることを公式に認めながら、もう一方でその技術を中国に伝え方向で中国と話を進めていることになる。
従来から文在寅政権は西側を裏切る動きを見せてきたが、ここまで公然とした動きは見せてこなかった。アメリカのバイデン政権は対中政策で口先では厳しいことを言いながらも、実際には中国に大きな打撃となる政策を採用してこなかった。こうしたバイデン政権の実際について文在寅政権は冷静に判断し、この程度のことをやっても大丈夫だと高をくくっているところもあるのかもしれない。
実際はどうであるかはわからないが、いずれにせよ韓国に依存しない安全保障体制を考え、それを前提にして日本の動きをさらに積極化することは必須だろう。その上で韓国が西側を完全に裏切らないようにどう動かすかも、西側の共通課題として大きくのしかかることになったと言えるだろう。
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韓国と中国の国旗の画像
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