岸田総理は新型コロナウイルスの2類相当以上から5類への変更について、感染が急拡大している状況の中で分類の変更の話をするのは現実的ではないとの見解を示した。
2類相当以上から5類への変更をすべきだということについてはオミクロン株の毒性が随分弱まっており、インフルエンザ並みになってきていることも理由ではあるが、それだけではない。
感染が急拡大しているからこそ、保健所や医療機関の負担が2類相当以上では対処できなくなるのであり、そのため即座に5類への思い切った変更を行うべきなのではないだろうか。
世界ではこれまでの波で1日の新規陽性者数が100万人を超えることはなかった。だが、オミクロン株が広がってきてからはすでに1日300万人を突破している。イギリスのデータでは1.5日で2倍に増えるとのことなので、これに基づいて計算すると半月で1000倍に増える計算となる。従来株とは爆発力が違い、感染者数が極めて少数であることを前提としている2類相当以上の扱いでは医療側の対応が不可能になるのである。
すでに昨年末には経口薬の「モルヌピラビル」(商品名「ラゲブリオ」)が特例承認されている。妊婦など一部の方には使いにくいことは指摘されているが、これにより重症化のリスクもかなり抑えられることもわかっている中では、5類への変更をためらう理由はない。
ファイザーが開発した「パクスロビド」の方が効果は高いとされていて、こちらは特例承認前ではあるが、すでに政府は200万回分の供給を受けることになっている。岸田総理としては「パクスロビド」の特例承認を待つつもりかもしれないが、それ以前に急激な感染拡大によって保健所などの対応が不可能になるだろう。
岸田総理は変異によって毒性が強まる可能性も示唆したが、経口薬ができている現状では過大にリスクをとらえすぎである。
全ての生活を極力正常化する方向で出口を考えるべき時である。
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