尖閣諸島に侵入している中国公船とは、中国の人民解放軍の指揮下にある中国海警の武装艦艇だということを、日本国民はよく認識しているだろうか。
これが尖閣諸島の領海へ1年間に60回、接続水域に1カ月に22回という頻度で侵入し、中国船の侵入はほぼ恒常的となっている。
中国海警の船が侵入する際に海軍艦艇を付近に待機させ、ときには原子力潜水艦やフリゲート艦などを接続水域に送りこんでいることもある。侵入のたびに自国の領海領土の正当な管理行動として政府機関のサイトや官営ディアの報道で記録を公表し、支配の実績の誇示を重ねている。この結果、日本政府の『領有権紛争は存在しない』という主張は骨抜きにされている。
尖閣周辺での自国艦艇の活動実績を基に、尖閣への施政権保持を公式に宣言する見通しが高まっている。中国は尖閣から300~400キロの浙江省や福建省に新たな軍事基地や兵站施設を建設し、尖閣占領のための拠点として強化していることにも着目しておきたい。日本の反撃が弱いと判断すれば、「短期の鋭利な戦争」という形で尖閣の軍事占領に出る可能性もある。
このような警告が、ワシントンの安全保障研究機関「戦略予算評価センター」が作成した「インド太平洋における中国の多様な闘争」と題する調査報告書に明記されている。
日本政府は、尖閣諸島が日本領であることを主張する際には「日本固有の領土」という主張を繰り返すのみである。
1969年以前には、中国が発行している地図や人民日報の記事でも「尖閣諸島」という名称を使い、日本領であることを認めていたことなど、中国が尖閣諸島が日本領であることがはっきりわかる資料を国際社会にはっきりと提示するようなことをほとんどしてこなかった。
こうした主張を機会があるごとに何度でも何度でもしつこく訴えて、国際社会がしっかり認識するまで戦い続けなければならないのに、こういう宣伝戦さえもやろうとしない。
漁船が尖閣沖で操業するのを、危険だからとやめさせているが、実効支配をなくさせるようなような対応をなぜ続けるのか。
奪ってくださいと言っているような現状を、徹底的に見直してもらいたい。
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