EU、イギリス、カナダなどの32カ国が、中国を開発途上国と認めて付与していた一般特恵関税制度を12月から廃止することになった。
特恵関税とは、開発途上国の経済成長を支援するために特別に関税を引き下げたりゼロにするというものだ。製品ごとによって関税は色々と違うわけだが、中国の場合には平均的には6%ほどの特恵関税の優遇を受けてきたとされる。
中国への一般特恵関税の廃止は、すでにロシア、カザフスタン、ジョージアが10月から始めている。この動きにEU、イギリス、カナダなども乗ったという形になる。
これで今なお中国に一般特恵関税を認めている国はノルウェー、ニュージーランド、オーストラリアだけとなった。中国との関係から見て、これら3カ国にしてもいつまで認めるかはわからない。
これにより中国の製造拠点を置き続けるメリットはさらに小さくなったと言える。低賃金に依拠する労働集約型の産業は海外移転を余儀なくされる動きになるだろう。
中国では国家による民間経済への干渉がどんどん強まっており、さらに電力不足による操業規制も行われている。民間ビジネスが極めてやりにくい国に変貌してきた。ここにEUなどによるこの一般特恵関税制度の廃止が追加されれば、中国への経済的な打撃はさらに大きなものになるはずだ。
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