河野太郎氏は「総裁選特設サイト」を用意し、ここに「主張と政策」を掲載している。
https://sosaisen.taro.org/#policy
だが、残念ながらここで述べられている「主張と政策」には具体性が欠けているものがほとんどだ。
例えば河野氏は「災害の復旧、復興時に支え合う人のつながり、地域のコミュニティを守り育てます」と書いている。これについて反対意見の人はまずいないだろう。問題はこれをどうやって実現するのかである。そしてその部分が「政策」にあたると思うのだが、これが全くないのである。
「産業界も安心できる現実的なエネルギー政策をすすめます」とも述べているが、これは何かの冗談なのだろうか。河野氏のエネルギー政策に対して産業界が危機感を持っているのは今さら言うまでもないだろう。
福島原発事故が発生した約半年後の2011年9月に、河野太郎氏はあの山本太郎氏と現代ビジネスの企画で対談を行い、「立ち上がれ」「脱原発」との色紙を手にした2人のツーショット写真まで撮影された。このことに示されるように、河野氏の基本信条は脱原発であるのはよく知られている。
河野氏は今回の総裁選の出馬に際しては当面の原発の再稼働には理解を示したものの、原発の新増設を行うことは全く認めていない。
現在見直しが進められている「エネルギー基本計画」の素案について、資源エネルギー庁が再生可能エネルギーの比率を『36~38%程度』にするとの文言を用意したことに対して、河野大臣が『36~38%以上』にしろと、ブチ切れた音声も流出した。資源エネルギー庁としては産業界に配慮した形で『程度』との言い方にこだわったことに対して、河野大臣はそれでは手ぬるくて認められず、『以上』という文言に激しいこだわりを見せ、パワハラだと間違いなく言えるほどの罵詈雑言をエネ庁の職員に対してぶちまけた。これは文春が記事にしている。
https://bunshun.jp/articles/-/48318
こういうことが様々ある中で、経団連の十倉会長は岸田氏と高市氏のエネルギー政策を評価するとの見解を表明し、河野氏のエネルギー政策を支持しない姿勢を示した。これは産業界として河野氏のエネルギー政策を安心できないものだと見ていることを暗示している。
このように河野氏が掲げている「政策」は、実際には「政策」以前の「イメージ」程度のものにすぎず、それが現実に河野氏が進めようとしている政策とは完全に矛盾する内容になっていたりもするわけだ。
国防についても同様のことが言える。河野氏は「一方的な現状変更の試みに対抗できる枠組みづくり・抑止力の強化を行います」と「主張と政策」の中には書いているが、総裁選をめぐる議論の中では敵基地攻撃能力の保有について「昭和の概念」で「短絡的な議論」だと切り捨ててみせた。
確認したいのは、昭和の時代に敵基地攻撃能力の議論などまるでなかったことだ。中国の脅威も北朝鮮の脅威もほとんどないに等しかった。令和となった現代においては、中国も北朝鮮ももはや到底無視できないだけの軍事力を持つに至っている。この令和の環境にあってこそ、敵基地攻撃能力の保有は待ったなしになっているというのが現状ではないのか。
河野氏の議論は、中国や北朝鮮の脅威の高まりという令和の現実を敢えて無視して、両国の軍事的脅威がさほどのものではなかった昭和の発想でむしろ見ているものだ。おそらく河野氏は軍事力によって抑止力を考える発想が古臭い議論だと言いたいのだろうが、ではそれに代わる効率的な抑止力の保有について具体的提言を行うべきではないのか。それがないのに「軍事力に頼ろうとするのは古臭い」というのでは、左翼の発想だと言われても仕方ないだろう。
誤解されないように言っておくが、私は軍事力だけで抑止力を考えるのが正しいと思っているわけではない。そもそも戦争の形態が様変わりして、サイバー空間や経済分野にまで広がっているのは現実であり、新しい時代に応じた抑止力を考えていくことは重要である。だがそのことは、抑止力を「軍事力だけ」では考えられなくなったというだけのことで、軍事力はもはや時代遅れになったという話ではない。
少なくとも、中国も北朝鮮も軍事力が時代遅れの発想になったなどとは微塵も思っていないのは間違いないが、そのことを河野氏は否定するのだろうか。両国とも経済的に苦しい中でも、無理をして膨大な予算を組んで軍拡に力を入れているのは見ての通りである。
この現実を無視して、河野氏は敵基地攻撃能力の保有について「かえって不安定化させる要因」だと否定した上で、抑止力を高める手段として情報収集能力の強化を掲げた。だが、情報は抑止力を補完する役割は果たせても、抑止力そのものにはなりえないだろう。
私のこの発想自体が河野氏にしてみれば古臭い考えだということになるのだろう。もちろん情報はないよりあったほうがいいし、情報収集について抜本的に強化すべきだというのであれば、そのこと自体にはなんの反対もしない。その上で敢えて言いたいのは、情報を集めることがどう抑止力を抜本的に高めることになるのかを示さないと、説得的な議論にはならないということだ。それなのに、この最も肝心なところを河野氏は説明しない。
河野氏はふわっとしたイメージだけでこの総裁選挙を乗り切ろうとしている。だがここまで安全保障上の危機が高まっている中では、ふわっとしたイメージだけで総理・総裁になってもらっては困るのである。
こうした点で具体的な政策論を展開する高市氏との落差は、あまりに大きいと言わざるをえない。私は断固として高市氏を支持する。
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bunshun.jpの記事
https://bunshun.jp/articles/-/48318
www.sankeibiz.jpの記事
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210920/mca2109200802011-n1.htm
gendai.ismedia.jpの記事
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/21259
河野太郎氏の「主張と政策」
https://sosaisen.taro.org/#policy
河野太郎と山本太郎の画像
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河野太郎総裁選挙特設サイトの画像
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